もう何年も前に買った写真集「TOKYO NOBODY」。帯のアオリ通り、都会の街中など常に人の気配・息吹がする場所なのに、人間がひとりも写っていない写真です。発売当時書店で立ち見をし、気になりながらも買わずにいたんですが、数ヵ月後に無性に欲しくなり探して買いました。
当時は廃墟ブームも盛り上がっていた頃ですが、ゆっくりと時を積み重ねてつくられたソレとは、また違った恐ろしいほどの虚無感と清々しさが漂っています。人が作り上げた物が溢れる場所ばかりなのが尚更で、「物」の存在感が圧倒的なのに希薄・・・傍に人間が居てこそ「物」の存在が完成するんだな、と感じます。